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World Englishes!

第3回 アメリカ : ニューヨーク編


イラスト アメリカ、その言葉は「あこがれ」と同義語だった。子供の頃、かっこいいクールなものはすべてアメリカのものだった。いや、そのように誤解していた。

 実際はビートルズもストーンズもアメリカのバンドではなく、大好きなサンダーバードさえイギリスのテレビ番組だった。あの頃は外国、それはすなわちアメリカを意味していたので、漠然とすべてアメリカ産だと思っていた。

 今、アメリカにあこがれていると言ったら、ちょっとアレな人になってしまうが、当時はまわりの大人たちがアメリカに夢中だったし、行きたい外国のナンバーワンはハワイだった。そんな頃に幼少期を送ったので、初めてアメリカに行ったときは胸躍らされた。

 スコットランドの首都といえども人口50万人しかいないエディンバラというヨーロッパの片田舎で2年も過ごして、それからニューヨークに行ったので、すっかり圧倒されてしまった。ロンドンのヒースロー空港で買った「TIME OUT」のニューヨークガイドにはこう書かれていたことを今でも鮮明に覚えている。

 「あなたがいつもイギリスでパンを買うときのように “I was wondering if you could possibly pass me the bread, I’d be grateful.” (差し支えなければ、そのパンを取っていただけないでしょうか? そうして、いただけると光栄です)なんてことをニューヨークで言っても通じない。ただシンプルに “Give me the bread!” (そのパンくれ!)と言わないと、あなたはニューヨークでパンを買うことすら出来ないだろう」と紹介されていた。

 もちろん、誇張もあったが実際にニューヨークのマクドナルドに入ると黒人の女性がレジに肘をつきながら、”Next!”(次の人)と呼んだときに、果たして自分の番なのかどうか戸惑ったことは事実だ。「スマイル0円」なんて風習は日本以外にはないのだろう。

 ニューヨークでは何をするにも3割、4割増くらいの熱度で要求や主張をしないと無視された。だから誰しもがあの街に疲れ、そしていずれは去っていくのだと思う。その熱度を保ちなんとか生き抜けば、ポール・オースターウッディ・アレンのように、そこにどっぷりと腰を落ち着かせて作品やなんらかの資産を築きあげていけるかもしれない。

 ニューヨークで受ける疎外感、孤独感がよく表現された作品にポール・オースターの「幽霊たち」という小説がある。「まずはじめにブルーがいる。次にホワイトがいて、それからブラックがいて、そもそものはじまりの前にブラウンがいる」という文章で始まる小説は、ニューヨークに行く前に読んでいたのだが、ニューヨークに行ったあと読み返してみると、小説の内容が心に沁みた。

 ニューヨークでは言葉の問題よりも、いかに自分と向き合い、他者にその存在を誇示し、存在を保つかが非常に重要になってくる。英語力はあるに越したことはないが、そこそこでも別に構わない。ニューヨークのストリートの隅々から、ブロークンイングリッシュがあなたの耳に届いてくるだろう。彼らと対等にやり合い、生き抜いていくにはタフな精神力とある程度の無神経さが必要になってくる。

 最後にひとつだけ伝えておきたい。あなたが「セックス・アンド・ザ・シティ」にあこがれてニューヨークに行ってしまうと、痛い目に遭うことだけは確かだからお気をつけて。

 


プロフィール

松岡 祐紀(まつおか・ゆうき)

世界を旅する写真家。2006年のノーベル平和賞受賞者であるムハマド・ユヌス氏に共鳴し、ソーシャルビジネスを企業理念とした株式会社ワンズワードを立ち上げる。現在、オンライン英会話スクール「ワンズワードオンライン」を運営するとともに商業カメラマンとしても活躍中。

個人ブログ: http://yu-kimatsuoka.cocolog-nifty.com/onesword/


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