スケートボードとの出会いは小学高学年のころでした。もともとローラースケートをやっていましたが、弟がイチ早く始めて。それで、自分でもやってみたいと始めたんです。ローラースケートをやっていたせいか案外すぐに乗れて、スピード感にもすぐ慣れましたね。スポーツ、特に球技系はあまり得意ではなかったんですが、これなら人より上にいける!ってなぜか自信がわいたのを覚えています。当時は、主に自宅近くの公園で滑っていました。スケートボードができる場所ってないんですよね。日本では世間的にあまりいいイメージを持たれていないですし。でも、やればやるほど、のめりこんで、小学6年生で大会に出始めて、18歳で日本チャンピオンになりました。スポンサーから海外の大会への挑戦を促され、自然と自分の目も海外へと向くようになっていました。
渡米は19歳の時。彼女もロサンゼルスにいたし、スケートボードをやるなら本場でと思って。海外生活への不安はありませんでした。だれとでも仲良くなれる性質だし、スケートボードをやっている者どうしって、言葉や人種の壁なんてなく、だれでも仲間になれる空気があるんですよ。だから、だれかが滑っていたら、自分もその中に入ってガンガン滑っていました。そうすると、日本では見たこともないようなトリックをたくさん見られて、勉強になるんですよ。周りが上手だから、一緒に滑っているうちに、自分も上達していく。そうしてみんなで高め合っていく雰囲気でしたね。
日本人は完璧主義だから、すべてのトリックができなければいけないと思いがちですが、アメリカでは違いました。自分の得意分野を突き詰めるんです。自分だけのトリックをそれぞれが持っているんです。自分も、アメリカのトッププロやチームマネージャーに言われました。「すべてを完璧にできなくていい。世界一になれるトリックを持っていればいいんだ」って。それからは、自分の得意分野を作ろうと考え方が変わりましたよ。
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