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HOME > 英語とアスリート達 > vol.8-2 池町佳生

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Athletes and English 英語とアスリート達

Yoshio Ikemachi 池町佳生
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vol.8-2 | vol.8-1(前回の記事)

数々の世界的なレースで好成績を収めるラリーストの池町佳生が過酷なレースを乗り切るヒミツは、ポジティブで明るい性格とレースを通じて広がるライバルたちとの友情。英語が上達したのは、「彼らともっとコミュニケーションが取りたい!」と少しずつフレーズを増やしていくうちに、いつのまにか自然と身についたものだという。パリダカでのレースの様子やこれからの夢などを聞いた。

取材/構成/文 白石あづさ
インタビュー
昨日の敵は今日の友。英語で広がる友人の輪
オーストラリアから帰国後、ようやくパリダカへの準備が始まったのですが、二輪のパリダカレースは四輪と違って、プロがないので、資金は自分で集めなくてはなりません。パリダカへの道は実に遠いのです(笑)。僕は小田原でフィルムの梱包作業のアルバイトを始め、コツコツと資金を貯めました。たまに東京へ行ってスポンサー探し。念願かなって、参加できたのは1997年のことです。
世界中から集まってくるライバルたち。オーストラリアでのレースでは、ほとんど他の選手としゃべることもありませんでしたが、今度は前よりもずっとコミュニケーションを取ることができました。
プロでないから、ライバル同士、レース中は助け合うし、宿営地では和気あいあいと楽しいんですよ。僕はもともとおしゃべりなので、ちょっと英語を覚えると自信がつく。相手を知りたいから、こんなことを聞いてみたいとフレーズを勉強する。聞き取るときは、いつかオーストラリアを旅したときと同じように、「この人はこんなことを言っているのかな?きっと日本語だったら、この時、こう返すだろう」と考える。そうしているうちに、いつのまにか、英語で会話する力が身についていました。
おかげでレースが終わるとたくさんの友人ができるんです。昨日の敵は今日の友…ってね(笑)。その後は、しばらくヨーロッパの友人宅めぐりです。ヨーロッパではラリーはお金持ちのスポーツなのか、どのライバルもワイン貯蔵庫つきの豪邸に住んでいる。住みこみバイトで資金を貯めてパリダカに来ているのは僕くらいでしょうね(笑)。ほんとにギャップに驚きましたが、おかげさまで豪遊させてもらいました。
自国語どうしのケンカもコミュニケーションのうち?
20代のころはそんな調子で、アルバイトをしてお金をためては、海外のレースに参戦していたのですが、ある日、「パリダカに四輪でプロとして出てみないか?」というお話をいただきました。それで、南アフリカまでドライビングテストを受けに行ったら、なんと合格!もうこれで、アルバイトをしなくても行けるのです(笑)。ただし、プロとして行くのですから、結果を出さないとなりません。
レース参戦にあたっては、何カ月も前からスタッフと綿密に作戦を練り準備をします。勝敗を決めるのはこの準備期間にあるといっても過言ではありません。ですから、スタートラインに立った時には、すでに勝負がついて、レースではその答え合わせをしているに過ぎません。
二輪では一人ですが、四輪は善くも悪くもナビと二人きりです。熱い友情が…って?いえいえ、その前にケンカは絶えませんよ(笑)。なんていっても暑いし車内は狭いし、高性能のマイクをつけているので、相手のため息や舌打ちまで聞こえてきます。それでも、直線の見晴らしのよいところでは、英語でペラペラ二人で世間話をしながら仲良く走ります。
しかし、一転、ボコボコ道でスタックすると二人で車のオシリを押さなければなりません。これがものすごい重労働。焦り始めてくると、フランス人のナビは何やらフランス語で怒り始めるし、僕も「どないすんじゃ〜!」と関西弁になる(笑)。どんなことを言っているのかお互い分からないけれど、とにかく怒ってるということはよく分かる。時々、そうやって発散させるから、レースは滞りなく進んでいくわけです(笑)。日本人と違って、西洋人は感情を思いっきり出す人が多いのもおもしろい発見ですね。
自分を育ててくれたラリー界と支援者への恩返し
この年末から始まるダカール2006のナビは年下の日本人。きっとフランス人よりケンカは少ないと思いますが(笑)、逆に不満を貯めこんでしまわないように、僕がリードしないといけないですね。僕には夢があります。それはいつか、パリダカのチーム監督になりたいということ。そのためにも、今後開催されるレースの一戦一戦で、よい結果を積み上げて実績を作っていきたいものですね。
僕がこうしてラリーに参戦していけるのも、これまで僕を育ててくれたラリー界や応援してくれる人たちあってこそ。そういう人たちに恩返しがしたいとの思いから、昨年、「P.D.R(パリダカールレスキュー)」というNPOを立ち上げました。これはラリーライダーの能力を生かして、被災地にいち早く乗りこみ、情報収集活動をする団体です。僕自身、1995年の阪神淡路大震災を経験していますから、2004年の新潟中越地方で起きた震災は他人ごとではありませんでした。自分の持てる力を何らかの形で活かしたいと考えたのです。今回のダカールラリーが終わったら、本格的に活動ができるよう、じっくり取り組んでいくつもりです。
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プロフィール
池町佳生 池町佳生(いけまち・よしお)

ラリースト。1971年、兵庫県生まれ。94年に初の海外ラリー「オーストラリアンサファリ」に参戦し4位。97年、パリダカ総合16位、98年にキャメルトロフィー日本代表に選抜。03年からは4輪へも挑戦。ダカールT1クラス優勝、今年(05年)、トゥアレグラリーでは2輪で出場し見事優勝。帰国後、被災地のレスキューを行うNPO「P.D.R(パリダカールレスキュー)」を立ち上げた。
公式HP http://www.ikemachi.net/

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