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HOME > 英語とアスリート達 > vol.8-1 池町佳生

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Athletes and English 英語とアスリート達

Yoshio Ikemachi 池町佳生
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vol.8-1vol.8-2(続きはこちら)

バイクが好き。レースが好き。いつか世界トップレベルの選手と戦ってみたい。そんな思いから会社を辞め、旅立ったオーストラリア。現在、国際ドライバーとして、パリダカ(パリダカールラリー)で外国人スタッフたちと問題なく英語で会話をこなしているが、最初はマクドナルドで注文もできないほど英語が大の苦手だったと、ラリースト・池町佳生は言う。いったいどのようにして英語を習得したのか、年末から年始にかけて開催されるパリダカ(ダカール2006)を前にお話をうかがった。

取材/構成/文 白石あづさ
インタビュー
オフロードバイクに魅せられて
僕がオフロードバイクに出会ったのは、高校生のころです。山岳部の友人とマウンテンバイクで山を登ったり下ったりしていたんですが、グッと行動範囲が広がるオフロードバイクを知ってから、すっかりその魅力にハマッちゃったんですね。それで、遊ぶだけじゃなくて、レースにも出てみたいと国内各地のレースに参加しました。
海外のレースを意識したのは、ゴールデンウィークに開催される四国一周レースに出場したときのことです。選手のなかに、パリダカを経験した人がいて、何かと用事を作っては、せっせと話をねだりに行きました(笑)。
いつかは自分も…と思いつつ、海外のレースとなると会社を長く休まなくてはなりません。上司に「オーストラリアのレースに出たいんです。3週間、休みを下さい!」と言ったら、「えっ?! 何だって?」って(笑)。まあ、日本の会社ではあたりまえですよね。
でも、やっぱり行きたい。就職なんてまたあるさ…と会社を辞めて、片道航空券を握り締め、シドニーへ飛び立ちました。
英語とのおつきあい
「泊まるところなんて、どうにかなる」と、予約もしないでやってきたものの、英語は大の苦手。「ホテルはどこですか?」というフレーズも分からなければ、人に話しかける勇気も出てこない。
空港を出ると、みんなバスに並んでいる。行き先も分からずに一緒に乗り込んで、町の中心街らしきところで降りました。荷物を抱え、メインストリートをトボトボ歩いていると、どこぞのオペラが終わったのかタキシードを着た人達がドッと通りにあふれて、またその群集にくっついて歩いていると、ようやく安い宿が見つかりました(笑)。
レースが始まると日本からサポートスタッフも来てくれますから、言葉の不自由はありません。しかし、1週間のレースが終わるとスタッフは帰国してしまい、また一人。せっかく会社を辞めたんだから、しばらくバイクで旅でもしようと、ワーキングホリデーのビザを取っておいたんですよ。
英語は困りながら覚えるもの?
レースではライバルと大自然のデコボコ道との戦いでしたが、いざレースが終われば、今度は英語との格闘です。マクドナルドに入って、ハンバーガーを注文するのも一苦労。
「えーと、ビックマックとコーラ!」
すると店員が続いて答える。
「サムシィング・エルス?」
えっ?サムシィン…って何だろう?しょうがないので、そんな時は日本人スマイル!何も言わずにニコニコしている日本人男を「変なの…」という目で見つめる店員さん。
そんな気まず〜い思いを繰り返しているうち、「う〜ん、こんな時、日本のマクドの店員だったら何て言うやろ?」と考えるようになる。「そうか、もしかしたら、『何か他には?』って聞いているのかも」。それで次の日は「サムシィング…」の後に、「ポテト!」と答えてみる。すると店員、にっこり笑ってポテトを渡す。
「そっか、サムシィン…って、やっぱり他には?っていう意味やったんか!」と、こんな風に実にゆっくりと、使える英語を実地で学んでいったわけです。
次の目標に向かって
楽しいバイクの旅も終わりに近づき、そろそろバイクを売ってそのお金で日本に戻ろうかと思っていた矢先、酔っ払いにバイクを燃やされてしまいました。日本まで帰るお金がないので、とりあえず、タイまで行くと、ちょうどそこで、オーストラリアで知り合った日本人とひょっこり再会。その人はタイでキックボクサーの修行をしているとかで、気前よく僕にお金を貸してくれたんですよ。おかげさまで無事、中華航空に乗って帰国することができたわけですが、がんばっている彼を見ていて「僕も次の目標に進まないといかん!」と気合いが入りました。 そう、次の目標とはパリダカです。夢にまで見た大舞台。 出場するまでには、腕前だけでなく、資金集めという難題が待ち受けていました。
〜to be continued〜
プロフィール
池町佳生 池町佳生(いけまち・よしお)

ラリースト。1971年、兵庫県生まれ。94年に初の海外ラリー「オーストラリアンサファリ」に参戦し4位。97年、パリダカ総合16位、98年にキャメルトロフィー日本代表に選抜。03年からは4輪へも挑戦。ダカールT1クラス優勝、今年(05年)、トゥアレグラリーでは2輪で出場し見事優勝。帰国後、被災地のレスキューを行うNPO「P.D.R(パリダカールレスキュー)」を立ち上げた。
公式HP http://www.ikemachi.net/

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