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Athletes and English 英語とアスリート達
明名雄大
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vol.27 考えるより先に、まず動いてみる

バレーボールに携わり続けるために選んだ、中学校の教員という職業。しかし、バレー部の顧問として生徒たちを指導するだけの毎日には、何か大事なものが欠けていた。もう一度、競技バレーのプレーヤーに戻りたい。そう考えた明名だったが、日本代表の経験も全国レベルの実績も持たない彼にとって、実業団バレーのプレーヤーになることはきわめて難しいことだった。そんなときにもらった、FIVB=国際バレーボール連盟の公認コーチの資格を取ったらどうかというアドバイス。そして、その資格を取得したことから、海外のリーグでプレーするという新たな道が拓けていったのだった。

取材・文 猪狩真一/写真 出町公宏
インタビュー
中学校の教員から、再び現役の競技プレーヤーを目指して
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 中学から大学までずっとバレーボールをやってきて、就職するときも、どんな仕事でもいいからバレーに関われればと思ってました。それで、いろんな方から教員になることを勧められたこともあって、埼玉の中学校の教員になったんです。そうして中学でバレー部の顧問をしていたんですが、まだ自分がプレーできる歳だから、教えてるだけというのはつまらなかった。どうしても自分でプレーしたくて、わがままを言って、教員は3年でやめさせてもらいました。

 高校時代の恩師に相談して、バレーボール協会の元のトップだった方を紹介してもらったりしたんですが、率直に「(実業団チームに入るのは)難しいんじゃないか」と言われました。僕は背もさほど大きくないし、全国レベル、世界レベルの実績も、日本代表として日の丸を背負ったこともなかったですから。ただ、ひとつだけ方法があると言われたんです。
FIVB=国際バレーボール連盟の認定コーチの資格を取ってこいと。そうして肩書きができればチャンスが生まれるかもしれない、ということだったんだと思います。

 でも、FIVBの公認コーチの研修は、講義も実技も試験も何もかもが英語なんです。当時の僕の英語は中学校レベルだったし、会話なんてしたこともない。それでまず、恩師が退職後に移住してたハワイに行きました。海外に住んでしまうのが一番の近道だと思ったので。でも、英語の辞書も持っていかずに、ジムに通って身体を作りながら、インストラクターやジムに来る人たちと話をして仕草で教えてもらうっていうレベルだったので(笑)、たいしたことは身につかなくて。でも、外国人と触れ合うことが得意になりましたね。英語がどうこうという前に、外国人に抵抗があったら話なんてできないじゃないですか。だからまず、外国人と接することに抵抗がなくなるようになって、あとは耳からどんどん、分からなくてもいいから何でも入れていくというやり方でしたね。

ひたすら耳で聴いて、ひとつひとつ頭に入れていく

photo 公認コーチの研修を受けたのはタイのバンコクでした。講師はブルガリア人のインストラクターで、どこに行くにもくっついて行動してたんです。そのうちに僕のことを気に入ってくれて、英語も教えてもらうようになって。僕はまだ単語を並べる程度のレベルだったんですけど、嫌がらずに、「こういうときはこう言うんだ」と毎晩ホテルで教えてくれた。それを自分のホテルに戻ってから事細かに覚えるんです。バンコクでブルガリア人に英語を教わってるって、変な話ですよね(笑)。でも僕にとってはそれが一番大きかった。彼とはいまも連絡を取ってますよ。

 公認コーチの資格を取った後、フランスでいろいろなチームのテストを受けました。即決はしてもらえなかったんですけど、2〜3か月して日本のバレーボール協会を通して返事がきた。そしてフランスのチームでプレーすることになったんです。

 フランスにも、ボンジュールしか知らないで行ったんですが、ハワイで学んだ教訓として辞書は持っていきました(笑)。和仏の辞書を持って街の小さなカフェに行って、来るお客さんに次から次へと声をかけて、辞書を広げて言いたいことが書いてあるところを指差す。コーヒー1杯で毎日3時間はいましたね。

 母親がピアノの先生だったので、2歳からずっとピアノをやってるんですけど、そのおかげで僕は耳がいいんです。稀にいる絶対音感というやつらしくて、音を聴くと音符になって出てくる。だから語学も、耳からひとつずつ入れていって、リズムや音で覚えていくと。それに助けられてる部分は多々あると思いますね。

 いまになってみると、本や教材を使って文字や文法を勉強することは絶対に必要だと思います。でも僕の場合、バレーをするための語学だったから、とにかくしゃべるということが第一だったし、勉強してから行くよりも、行ってから勉強した方が早いんじゃないかと思ったんです。考え方の違いですよね。僕は、何をするにも考えるより前に動いてしまうんですよ。でも、例えば翻訳をしたいんだったら、先にがっちり勉強しておかなきゃできないでしょう。英語を学ぶと言っても、自分が目標にしているものによって覚え方はいろいろなんじゃないかなと思います。

海外でプレーしたいという人たちを助けてあげられる存在に
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 選手に戻れて、本当に良かったと思います。バレーができたことも嬉しかったですけど、世界中に友達を作りたいっていうのも夢だったので。フランスのリーグってあちこちから選手が来てるから、キューバ人、ブラジル人、ブルガリア人、アフリカの人とか、いろんな国の人と仲良くなれたのは、僕にとってのすごく大きな財産ですね。

 3年間いたフランスから戻った後は、関西の方でバレー教室をやったり、講演をしたり。Vチャレンジリーグでもプレーしました。でもどうしても、もう一度海外でやってみたかった。それもフランスじゃなく、できれば違う国で。それで今年、友人が紹介してくれたデンマークのチームでプレーすることになったんです。でも、チームに合流して約2ヶ月後、シーズン直前の公式戦で右足首を痛めてしまい、急遽帰国することになってしまいました…。とても残念です。

 もういい歳なので、あと何年やれるか分からないですけど、英語でもフランス語でも、外国語に関係することは一生続けたいと思ってます。そして次に指導する立場になったとしても、海外で教えてみたい。そのためにFIVBの資格を取ったわけですから。そして、バレーをやってきた日本の若い人たちが海外でプレーしたいと考えたときに、そういう人たちから頼られるような存在になりたいですね。自分だけ海外でやってそれで終了というんじゃなくて、他の人もヘルプしてあげられるような。そういうことができたら自分も嬉しいだろうなあって思うんですよ。


Message-最後に一言!

Reach for the stars

アメリカのバレーボール選手で、バレーとビーチバレーで金メダルを3つ穫ってるカーチ・キライという有名な選手がいるんです。その彼がお台場でビーチバレーの大会に出場したときに、僕が通訳をやったんですよ。これは彼がそのとき僕にくれたメッセージです。星に手を伸ばせ――目標に向かって突き進めというような意味だと理解してるんですけどね。すごくいい言葉でしょ。
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プロフィール
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明名雄大(めいな・ゆうた)
プロバレーボール選手(ポジション/セッター)。1974年生まれ、埼玉県大宮市(現さいたま市)出身。中学でバレーを始め、国際武道大学では関東大学2部リーグで優勝。大学卒業後、埼玉県内の中学校教諭としてバレー部の指導に携わるが、再び選手としてプレーしたいという気持ちから3年で退職。01年にFIVB(国際バレーボール連盟)の公認コーチの資格を取得し、翌02年から3シーズン、フランスリーグのSETE、ASPTT.PARIS、Union Sportif St.Andre lez LILLEの3チームでプレーした(St.Andreではコーチ兼任)。07年からは兵庫県を中心にバレーボール教室や定期スクールのコーチを務め、08年にはVチャレンジリーグの阪神デルフィーノでプレー。08年8月よりデンマークリーグのSkovbakkenに在籍するが、怪我のため退団。今後はコーチ業を中心に活動予定。

→ 明名雄大オフィシャルブログ 「Yutavolley.net」

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