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HOME > 英語とアスリート達 > vol.18-1 瀧本 誠

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Athletes and English 英語とアスリート達
瀧本 誠
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vol.18-1vol.18-2(続きはこちら)

「負けてもいいから」----。2000年、シドニーオリンピックで優勝。監督のこの一言が、柔道をやめようかとさえ思いつめていた柔道家に金メダルをもたらした。柔道81キロ級の頂点を極めた瀧本誠選手に何度も訪れる人生の転機。苦しみのなかから生まれた哲学とは何か?シドニーまでの道のりと、フランス留学や総合格闘技への新たな挑戦を語る。

取材・文  白石 あづさ
撮影  出町  公宏
インタビュー
みんな英語、英語っていうから…。人と同じは嫌なんです
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 オリンピックはたくさんあるうちの試合のひとつ。僕にとって、それほど特別ではなかったんです。ところが、シドニーオリンピックで金メダルを取るやいなや、ドドドッと寄ってくるマスコミには驚きましたね。試合前は、誰も期待も注目もしてなかったくせに!ずいぶん知らん顔してやりましたよ(笑)。

 次のオリンピックを目指して練習していたかって?いや、まずフランスに向かいました。柔道は向こうのクラブでも続けましたが、一番の目的は語学。海外の選手とは、国際大会などで、試合前に練習をいっしょにすることがあるんですよ。そこで、「どんな練習をしているか?」とか「日本食は好きか?」という他愛もない会話をしているんです。もっといろいろ話せたらいいなと思いつつも、海外遠征はしょっちゅう行くのに、語学を学んでいる時間がない。

 それで、オリンピックを区切りとして、一年半行くことにしたんです。フランスを選んだ理由?柔道が盛んな国だからでも、フランスが特別好きなわけではありません。みんな英語、英語っていうから、人と一緒は嫌だ!と。それだけの理由です(笑)。

ルームメイトは全部で5人。みんなでゴロゴロ雑魚寝してました
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 パリから程近い、オルレアンという小さな街で、日本の友人に紹介されたフランスの柔道家の家にお世話になりました。彼がコーチとして教えている地域の柔道クラブでは、面白いことに小学校が併設されていて、フランスの児童のために、フランス語の先生がクラブに来て国語を教えている。その先生がついでに僕にもフランス語を教えてくれました。ですから、特に語学スクールには通っていません。クラブで柔道もフランス語もまとめて練習していました。

 しかし、フランス語は、ほんと発音が難しいですね。実は日本でもスクールに通っていたけど、ちっとも現地では通じなかった。人の話は聞けるんですけど、自分の意思が伝えられないんです。ルームメイトたちには、ずいぶんからかわれて遊ばれましたよ(笑)。その家には、芸術家、バーの経営者など、ほかに3人ほど暮らしていました。もともと男ふたりのアパートに、彼らの彼女たちが押しかけ、さらに僕が転がり込んだから、全部で5人。狭い部屋に、ごろごろ雑魚寝です。

 楽しそうだって?いや、まず一緒に生活してみて、しみじみ思ったのは、「日本人ってほんと働くなぁ…」と。ルームメイトのルーズさといったらなくて、昼間から酒をグビグビ飲んでる。まあ、僕も流されて一緒に飲んでましたが…郷に入れば郷に従えというでしょ(笑)。

 パリジェンヌとの恋?語学の勉強に来ているのだから…ときっちりケジメをつけて彼女は探しませんでした。ほんとですよ。おかげで?、帰国前には、ルームメイトにからかわれないくらいには上達したし、早口のテレビを見て笑えるようになりました。

違うジャンルの選手との対戦。自分の可能性が発見できるかな
梅丘道場で練習をする瀧本選手

 フランスから帰国後、一度は柔道に戻ったんですが、何かこう…以前のような燃えるものがないんです。柔道は自分の中で完全燃焼していたんですね。中途半端な気持ちでは続けたくない。けれども、まだまだ自分にはやれることがあるはずだ。そう気持ちが揺れていたとき、先輩の柔道家・吉田秀彦さんが、「それなら総合格闘技をやってみないか」と、声をかけてくれたんです。

 同じ格闘技とはいえ、パンチやキックなど、柔道とは違う技や試合カンが必要な競技です。初めて総合格闘技の大会である「PRIDE」の試合に出場したときのことをよく覚えていますよ。ド派手な入場に、ああ、これがプロの世界なんだなあ…と驚いていたら、先に入場した対戦相手の元幕内力士「戦闘竜」の巨大なマワシ姿が目に入って…「こんな選手とオレは対戦するのか!」と、今度は頭がクラクラしました。

 後輩たちが心配して「先輩、だ、大丈夫ですか?」、「いや、やばいかもしれない…」と(笑)。試合直後、一発、強烈なパンチをもらったときには、サアーッと僕の顔色が変わったのが、セコンドからも分ったそうです。入場シーンは覚えていても、試合中のことは無我夢中で覚えていないですね。そのときは、判定勝ちをしましたが、違うジャンルの選手と戦うには常に研究しなくてはならない。けれどもその分、自分の可能性に気がつくこともあって面白いですね。

〜to be continued〜
プロフィール
別府史之

瀧本 誠(たきもと・まこと)

シドニーオリンピック柔道81kg級金メダリスト。1974年、茨城県岩井市生まれ。6歳で柔道を始め、柔道の名門「講道学舎」に入門するため中学から上京。大学在学時に全日本学生体重別選手権大会で優勝し、99年、2000年に全日本選抜柔道体重別選手権大会81kg級優勝後、ドイツ国際大会優勝。シドニーオリンピックでは内股、袖釣り込み腰で金メダルを獲得。その後、1年半のフランス留学を経て、2004年から「PRIDE」に参戦。柔道家の吉田秀彦と共に「吉田道場」の師範としても活躍している。

→ 瀧本  誠  オフィシャルサイト
→ 吉田道場  オフィシャルサイト

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