僕のいたアマチュアチームは、数々の優勝をさらった強豪チームで、プロ並みの実力のある選手ばかり。ヨーロッパ各地のレースで結果を出し、プロからの誘いを待つ。22歳までに誘いがないと、プロとしてやっていくのは難しいと言われています。けれども、プロになりたい。フランスまで来たからには絶対、プロになりたい。……しかし、ある日、こんなことを言われてしまったんです。「フミはいい選手なんだけど、日本人だからプロに採用するのは難しい」と。
人種差別というより、日本人が海外のトッププロチームで活躍した前例がない。どんなメンタリティーを持っているか、チームとうまくできるのか、どう練習をさせたら伸びるのか。何もデータがない。どうやって扱っていいのか分らない。それならば、よく知っている地元の選手を採用したい、と。
大ショックでした。アマチュアの世界では、それなりに名前も知られ、実績も積んできたのに……と、どうにもできないむなしさが押し寄せてくる反面、「自分は日本人なんだ」という強い自覚が生まれました。レースで優勝すると、自転車競技の場合、チャンピオンジャージを着るでしょう。オレはチャンピオンなんだというアピールです。
ですから、僕が日本の日の丸をデザインしたジャージを着るのは、「日本人である・日本人もプロとして活躍できる」という世界に向けてのアピールなんです。とはいえ、日本の国をしょって走るのではなく、日本のロードレーサーの代表として走ります。けれども、「あの日本人」ではなく、「ああ、あれはフミだ。がんばっているな」と思ってもらえたら嬉しいですね。そして、日本の人にも、もっと自転車競技に興味を持ってほしい。さらには自分の後を追って、世界で活躍するプロを目指す日本人選手が出てきてほしいのです。
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