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異文化英語

第136回 箸vs. ナイフ&フォーク

 西欧人に比べ、日本人の器用さを象徴するのは箸(chopsticks)でしょう。私たちは箸を見事に操り、食事をします。箸は食事だけでなく、いろいろに使われます。西洋人はナイフとフォークで食べます。箸さばきとは異なり、ナイフとフォークをつかむようにして使う「にぎり」の文化です。でも、彼らは左手にナイフ、右手にフォークと、両手を同時に使います。(左利きの人はナイフとフォークが逆になるのかもしれませんが。)我々にしてみると慣れるまでは結構大変です。

 西欧人と一緒に食事をすると、話に加わりながら、同時に両手をつかってステーキを切り、かつ、皆に遅れないように食べるのは至難の業です。特に、内容が専門的な話の場合はなおさらです。相手の言うことに耳を傾け、よく考えてそれに答えつつ、ナイフとフォークを動かして食べなくてはいけないわけですから。箸は英語の辞書では通常次のように定義されています。

‘A pair of narrow sticks, usually of wood or ivory, held between the thumb and fingers and used in East Asian countries for lifting food to the mouth’

(一対の細長い棒で、普通は木か象牙で出来ており、親指と指の間で保たれ、東アジアで食べ物を取り上げ口に運ぶために用いられる。)

 近頃は外国人でも箸を起用に使える人が増えてきました。私の友人で、箸で1ペニー硬貨をとても上手に拾い上げられる人がいます。そういえば、ロスアンゼルス、ニューヨーク、ロンドン、などにある日本食屋さんで箸を見事に操り優雅に食べている外国人をよく見かけます。Chopsticksの’chop’は中国ピジン英語(伝達目的で英語を母体した混成英語)のchop「速い」が語源です。食の異文化対決は箸vs.ナイフ&フォーク、つまり、「指先」対「にぎり」でしょう。

[ワンポイント英語表現]
Sorry, but could you show me how to use chopsticks? (すみませんが、箸の使い方を教えていただけますか。)



御園和夫先生

Profile
御園和夫

関東学院大学名誉教授、日本英語音声学会常任理事。英語学、英語音声学、英語教授法専攻。特に英語の音声教育に力を注いでいる。英国レディング大学、米国UCLA、オーストラリア、クイーンズランド大学などで研修・留学。
長年にわたりテレビ・ラジオで活躍し、「百万人の英語」や「旺文社大学受験ラジオ講座」など、数々の英語番組を担当。
著書に、『コミュニケーション主体の英語音声学』(和広出版)、『耳から楽しむ英語ジョーク:聴くユーモア』(CD付)旺文社、『成功する英語表現講座』(南雲堂)、『場面別英会話』(旺文社)、他多数

御園先生が教壇に立っている関東学院大学を知りたい!

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