英語学習のヒントを探れ! *
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#4独自性と多様性

 1880年代にエスペラントという言語が作られました。エスペラントは、世界中のあらゆる人が簡単に学ぶことができ、世界中で既に使われている母国語をおきかえるというよりは、むしろ第2言語としての国際補助語を目指して作られました。現在でも100万から200万人の話者がいると推定されますが、1900年初頭に生まれたこの言語がなぜ思ったほど発展しなかったのでしょうか。歴史的な経緯ももちろんありますが、一つには、エスペラントの根底の哲学があると思われます。「エスペラント語の目的は、すべての人の第2言語となることであり、どこか特定の国の言葉でもなく、どこかの文化になることでもない。誰でも自分の文化や言語をもつ権利があることを認め、お互いを尊重し、大切にするための言葉です」というところからもくみとることができます。エスペラントは言語ではあるが、その背景にある文化が存在しない。それはある意味平和的な意見交換の場を提供することができましたが、言葉としての深みや広がりを持つことができなかった、ということができるかもしれません。しかしながら、エスペラント発見の功績は言語界においては非常に大なことでした。

 前回コラムで書いた、欧州評議会で作成された共通参照枠(Common European Framework for Reference for Languages)では、複数のことばと文化を理解する能力を有する、「複言語主義」「複文化能力」が中心的な存在となっています。欧州評議会には46の国が加盟していて、それぞれ異なった言語と文化背景をもっていますが、この国々の市民間のコミュニケーションを質的に改善して、ヨーロッパ全体の活性化を果たすことが共通参照枠の最終的な目的となっています。このように、違う言語と文化をもちながらも国を超えてコミュニケーションをとっていこうという動きが出てきたことは、非常に大きな変化であるということができます。エスペラントが一次元的であったのに対し、今のヨーロッパの状況は、多次元的であるということができるでしょう。そして、国自体が「複言語・複文化」になることは、個人が「複言語・複文化」になることを意味しています。個人が「複言語・複文化」になるためには、自分のことば、自分の文化をしっかり持ってこそできることでしょう。自国の文化をないがしろにして、外にばかり目を向けていてはいけません。あなたは「自分」をしっかり持っていますか。外国語を学びながら、外に目を向けると同時に自分の内側を見つめて見ましょう。それが今の外国語学習者に求められていることではないでしょうか。これからは、自分のアイデンティティーを持ち主張しながらも、相手の意見に理解を示すことができるコミュニケーション能力が求められていくでしょう。


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